いま住んでいるのは、築43年の一軒家です。
その前に住んでいた家も中古物件でした。
つまり私たちは、家を買うという選択を二度して、二度とも中古を選んだことになります。
新築を建てたことは、一度もありません。

新築も検討してた過去
一度目に家を買うとき、新築を考えなかったわけではありません。
見に行った物件もありました。
20代後半というタイミングとしては中古の戸建てがベストだろうと思いながらも、私も夫も戸建てで育ってきたので、利便性のいい場所のマンションで子育てをすることへの憧れが、少しだけあったんですよね。

同じ場所で戸建てとなると金額が跳ね上がるけれど、マンションならまだ手が届くかも..!!
そんな見方をしていました。
正直に言うと、家に対するこだわりがそこまで強くなかったんだと思います。
「注文住宅を建てよう」という話は、最初から一度も出ませんでした。「マンションでもいいかな」くらいの気持ち。
資金的にそれほど余裕があったわけでもありませんでした。
ただ、結婚当初や長男が生まれたばかりのことは賃貸でマンションに住んでいて。
そのとき、子どもがいると逆に住みにくいかもしれない、とも感じていました。(とにかく夜泣きの対応に気を使いましたね。。)
私の実家も中古戸建
いま思うと、中古の住宅に抵抗がなかったのには理由があります。
私自身が育った実家が、そもそも中古の家だったんですよ。
当時は「リノベーション」なんて言葉はありませんでした。リフォーム、という言い方だったと思います。
外装を少し綺麗にしたり、中も少しずつ手を入れていったり。
あるとき、両親が二人でサプライズのように部屋の壁紙を張り替えてくれたことがありました。
帰ってきたら、部屋が変わっている。
そういうことが、ときどきある家でした。
友達の家に行けば「新しいのっていいな」と思うこともありました。それでも、自分がそういう環境で育ってきたからか、新築であることへのこだわりは薄かったんだと思います。
むしろ、手を加えることのほうが楽しい。

ちょうど良かった家が、手ぜまになるまで
一度目に買った家のことを、悪く言うつもりはまったくありません。
建坪7.5坪、延床15坪というサイズ感が逆にちょうど良く、立地もアクセスも良かった。四人で暮らしていたころは、本当に最高の家でした。
二階で遊んでいる子どもの声が、一階にいてもちゃんと聞こえる。
あの安心感を、私はとても気に入っていました。

変わったのは、家ではなく私たちのほうです。
最初に「狭いかもしれない」と思ったのは、収納の場面でした。
とにかく「しまう場所」がない。だから物が片付いている感覚がずっとない。
「出しっぱなしだな。散らかってるな」と思っても、どこにしまえばいいのかが分からない。
子どもたちは家にいて、遊びたい。喧嘩も始まる。
にぎやかなのはいいことだけれど、大人がひと息つける場所がどこにもない。
スペースを分ける場所がないのです。
大人にも子どもにも、プライベートな空間がなさすぎる。
そのころには、家族は七人になっていました。単純に、人数としてこの広さを七人で使うのは無理があるな、と思うようになっていました。
「引っ越そう」と最初に言い出したのは、たぶん夫だったと思います。
「ずっと限界は来ていて、それをだましだまし暮らしていた。そんな感覚だったよね」と、後から話した記憶があります。
二度目も中古を選んだ理由
二度目に家を探すときに中古戸建を選んだ理由は、一度目よりずっとはっきりしていました。
新築にすると、金額が何倍にもなる。
外観や見栄えは、夫婦ともに一切気にしない我が家。
見栄えよりも、中の本当に必要な部分にお金を回したい。
食洗機や乾太くん、ファミリークローゼットの増設。毎日の暮らしがまわりやすくなるところに使いたい。
そんな気持ちがありました。

そう考えて、中古物件で探しはじめました。
内見のときの頭の中

内見には、かなり初期段階から、夫の知人の設計士さんに同行してもらっていました。(心強かった!)
そのあいだ、夫が何をしていたかというと、写真を撮ったり、サイズを測ったり。
リノベーションでどのくらいの費用が想定されるのか。予算のなかに収まるのかどうか。設計士さんの意見を聞きながら、プランを頭のなかで組み立てていたのだと思います。
私はというと、専門的なことはあまり分かりません。
だから私が見ていたのは、家の現状のほうでした。
何が、どこまで、このまま使えるんだろう。
プロの話を一緒に聞きながら、どこまでのことができるのかをイメージしていた、という感じです。
そのとき交わされた言葉も、そんなに劇的なものではありませんでした。
「これはそのまま使うのがいいね」
「日当たりがいいね」
「ちょっと変わった間取りだね」
うわあ、と声が出るような内見ではなかったのです。
キッチンやお風呂、トイレといった水まわりがリフォーム済みだったことは、そのなかでも大きなポイントでした。ここはそのまま活かせそうだね、と。
大きく節約できるぞ、と思ったのを覚えています。
思ったより暗くないね
築43年と聞いたとき、正直、もっとボロボロな状態を想像していました。
でも実際に見たら、「住めそう..!!」という感じでした。
むしろ、この金額に対してはめちゃくちゃいいのでは。
思ったより綺麗かもしれない。悪くないかもしれない。思ったより、暗くない。
不安がなかったわけではありません。
やはり昔ながらの独特なつくりの部分はあって、予算の範囲内で、中をどこまでガラッと変えられるんだろう、という心配はありました。
ただ、家そのものへの不安より、新しい町に移り住むことへの不安のほうが、私は大きかったように思います。
最終的に決め手になったのは、いくつかの条件が重なったことです。
自分たちが理想としていたサイズ感で、金額的にも、物件の状態としても、ちょうどいい。探しているなかでは、ここが一番なんじゃないか。
そして設計士さんが、予算の範囲内でここまでできそうだということを、私たちに寄り添いながら提案してくれたこと。プランもいくつか見せてくれて、イメージを形にしてくれた。それが大きかったと思います。

断熱と虫
住んでみて、中古にして良かったと思うことがあります。
限られた予算のなかで、家のなかで「遊べた」こと。
直したいところを直して、設備にこだわって。お金を、家そのものの購入費ではなく、これから毎日使うものにかけられたこと。
一方で、正直に書いておきたいこともあります。
断熱と、虫。
この二つは、中古物件を選ぶ以上、避けては通れないと思っています。
断熱に関してはお金さえかければ施しようはあったんです。ただ、予算的に難しくて。
我が家はそこを「仕方ない」と割り切りました。限られた予算の中で、その代わりに別のところへお金をかけた、という順番です。(今日も小さなアリと家の中で戦っていました..つらい..笑)
何を最優先するか
もしこれから家を探す方がいたら、伝えたいのはひとつだけです。
何を重視するかで決めたほうがいい、ということ。
家そのものの購入費より、中の設備にお金をかけたい方。古さにこだわりがなくて、自分たちで作っていきたい方。そういう方には、中古はきっと合うと思います。
反対に、やっぱり新しいほうがいい、綺麗なほうがいい、寒いのも暑いのも嫌だ、という方。その場合は、新築や新しい物件で考えたほうが絶対にいいと思います。
どちらが正しいという話ではありません。
自分が何を最優先したいのか。それを家族で話し合って決めること。
二度、中古の家を選んできた私たちが言えるのは、それくらいのことです。
そして、ここまで書いてきて触れずにきたことがあります。
お金の話です。
実際にいくらかかったのか。何を削って、何を残したのか。
そのあたりは、また別の日に書こうと思います。


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