こんにちは!
Morimitsu-familyです。
今回は菅野仁さんの新書、『友だち幻想』を読みました。
新書で全156ページ。
2時間で一気に読んでしまいました。
著者は社会学者でありながら、難しい言葉やデータ等は一切使わず、友人関係に悩みを抱える若い読者向けに執筆しているだけあって、めちゃくちゃ読みやすいです^^
上司や友人、家族等、人間関係は生きていく上で欠かせないテーマ。
この『人間関係』に悩む人、めちゃくちゃ多いのではないでしょうか。
この本では、「人と人とのつながり」の常識を、根本から見直してみる必要があるのではないかと仮定する筆者が、現代社会に求められる「親しさ」をとらえ直すための「見取り図」を描こうとしたものです。
人間関係に悩んでいる人であれば、読み終わる頃に心がスッと軽くなる、そんな一冊になっています。
こんな人に読んでほしい
- 職場に嫌いな上司や同僚がいて、人間関係に悩んでいる
- 仲の良い友人が少なく、不安を抱えている
- 親が全然自分の意見を受け入れてくれない
- 子どもが自分の言うことを聞いてくれない
- 友達付き合いが億劫だ
- 友だちは大切だけど、一方で友だちとの関係を重苦しく感じてしまう
友だち幻想の目次は?
はじめにー「友人重視志向」の日本の高校生
第1章 人は一人では生きられない?
第2章 幸せも苦しみも他者がもたらす
第3章 共同性の幻想ーなぜ「友だち」のことで悩みは尽きないのか
第4章 「ルール関係」と「フィーリング共有関係」
第5章 熱心さゆえの教育幻想
第6章 家族との関係と、大人になること
第7章 「傷つきやすい私」と友だちの幻想
第8章 言葉によって自分を作り替える
おわりにー「友だち幻想」を超えて
著者の菅野仁さんはどんな人?
著者の菅野仁さんのプロフィールはこちら。
1960年宮城県仙台生まれ。
2006年より東北大学教授。
専攻は社会学(社会学思想史・コミュニケーション論・地域社会論)。
「”自分の問題”として<社会>について考えるための知的技法の追究」をテーマに、考察を続けている。
著書多数。
2016年、没。
【ピックアップ】ぐっときた文章3選
異質性ー自分とは違うんだ、ということを前提に考える P40
あなたに、仲の良い友人はいますか?
気が合う、波長が合う、一緒に居て楽しい。
そんな友人とでさえ、たまに意見が合わなくて、モヤモヤすることはないでしょうか。
友だちだと思ってたのに。。
なんであいつは、あんなこと言うんだろう…
僕も良くあります。
モヤモヤしますよね。
他人に対して、「なぜわかってくれないんだ!」と考えることは、自分本位で、他者の存在を無視した傲慢な考え方だと、著者に諭されます。
確かに冷静に考えると、自分の言うことに全て共感してくれて、相手の言うことが全て共感できるみたいな関係性って、自分と同一人物でない限りあり得ないですよね。
自分とそれ以外の人は、異質な存在で、他者である。
この本では『異質性』と形容していますが、異質性を前提とすることで、
そりゃ他人だもん、わかることもあればわからないこともあるよ!
と、イライラが減り、自分自身が生きやすくなる。
この考え方は、めちゃくちゃ目から鱗が落ちました。
どんなに仲のいい友人でも、もっと言うと家族でさえも、他者なんだから、そもそも100%分かり合えるはずがない。
これは職場の同僚や上司にも言い換えられますし、この前提条件を心の中に持っておくことで、無駄にイライラすることが減るのは最高だなと感じました^^
濃密な関係から、あえて距離を置くこと P75
居心地が良い距離感って、人それぞれらしいんです。
恋愛関係だと、「四六時中一緒にいたい!」っていう人もいれば、「自分の時間を大切にしたい」っていう人もいる。
先生と生徒の関係だと、先生とみっちりコミュニケーションをとって質問もバンバンしたい生徒もいれば、ある程度自分で調べながら学習して、どうしてもわからない所だけ先生に聞きたい生徒もいる。
人間関係がうまくいかない時って、この距離感がずれたり、方向性が違ったりすることが原因だと、著者は言います。
自分と同じ距離感でいることを相手に強いないっていうことも、心地よくに生きていくために必要なことだと、読んでいて感じました。
親の「包括志向」と子どもの「自立志向」がぶつかり合う思春期 P109
包括志向とは
親にとっては子どもはいつまでも子どもだから、包み込みたいという心理が働く。
特に母親はこの傾向が強いことが多い。
親子関係って、他者性ゼロのところからスタートします。
生まれたばかりのころは、親の世話がなければ、子どもは生きていくことができない。
ただ、子どもが成長するにつれて、だんだんと自分でできることが増え、親子の他者性の割合が増えていくのです。
これは子どもが成長している証なので、喜ばしいことなんだけど、親としては他者性ゼロの頃の記憶が抜けないから、どうしても包括志向が残ったままになってします。
親の子に対する「包括志向」と、子の親に対する「自立志向」がぶつかり合う時期が思春期から青年期にかけて起こるんですね。
この思春期の時期を、距離感を保ち、葛藤しながらうまくやり過ごすことで、後に良い親子関係が築けると著者は言います。
む、むずいなぁ。。笑
我が家は3人の子どもが居て、4歳、2歳、0歳。
この子たちが思春期を迎えた時の距離の保ち方とか、全くイメージできないですね。。
これは私個人が子育てしながら日々感じることなんですけど、子どもが成長するように、親も親として子どもからたくさん学び、成長させてもらってる。
お互いに成長していった結果、その時期にぶち当たって、どうなるかですよね。
その時になってみないとわからないけど、親としてしっかり私たちも成長していないといけないなぁ。
子どもたちは、何も言わなくても日々グングン成長してますしね^^
まぁでも、こうやって体系的に頭に入れて、事前にイメージした上で思春期を迎えるのと、何も分からずに準備もせずに思春期にぶち当たるのとでは、親のストレス負荷がかなり違っただろうなぁとは思います。
このセンテンスは、親としてめちゃくちゃ参考になる文脈でしたね。
まとめ
今回は、菅野仁さんの『友だち幻想』を紹介しました。
一番ぐっときたポイントは、
相手を他者として意識するところから、本当の関係や親しさというものは生まれるもの
ここ☝ですね!
職場の人間関係や、友人関係、親子関係、全てに言えること。
なんでわかってくれないんだコイツは!
じゃなく、
そりゃわかんないよねー。他人だもん。
ここわかってくれるの!最高!ありがとう!
ぐらいの方が、自分にのしかかるストレスがめちゃくちゃ軽減されますよね。
この『異質性』を意識するようになって、僕自身も楽観的にモノゴトを考えられるようになりました。
ちょっと前まで、自分の意図を組んでくれない上司とかに、心の中でボロクソ言ってましたからね。笑
ということで、以上になります!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました^^
また次回!
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